黄花のシロバナタンポポ |
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自宅近くのシロバナタンポポ群落に娘と散歩がてら観察に出かけたら、一面のシロバナタンポポの中に黄色い花が。 セイヨウタンポポが侵入しているのか?と近寄り、例によって花をひっくり返して総苞を確認すると、外総苞片がセイヨウタンポポのように完全に反転せずやや外側に開いていました。在来種なら外総苞片は密着しているはず 総苞片の形状と葉の色は全くシロバナタンポポと変らず、花弁の色が黄色。 最初は雑種と考えていたのですが、総苞外片の反転の形や葉の色から、シロバナタンポポの黄花と考えるのが妥当なようです。 |
<撮影データ> 場所 :島根県松江市大草町 撮影日:2003年4月6日午後2時頃 カメラ:QV7000 |
後日、文献を調べたところ、シロバナタンポポには稀に薄黄色のものがあり、キバナシロタンポポと呼ばれることもあるとの記載が有りました。
シロバナタンポポの変種として小泉秀雄博士が1948年にキバナシロタンポポ(T.albidum var.sulfuream)と命名したとされています。(「タンポポの観察実験」山田卓三)
その後、市内のシロバナタンポポ自生地でも時々黄花のシロバナタンポポを観察できました。ほとんどはシロバナの集団の中に1株だけ黄花がみつかるのですが、中には黄花だけ集団で咲いている場所もありました。
タンポポ調査西日本2010報告書でも黄花のシロバナタンポポが取り上げられていて、鳥取、島根、愛媛、高知、福岡、佐賀県から見つかっているということです。
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元々、シロバナタンポポは黄色い色素を分解するカロチノイド分解酵素(CCD)を持っているために花弁が白いと考えられるのですが、キバナシロタンポポは何かの原因でその酵素が働かないために黄色のままと考えられます。