小石川植物園で撮影してきた写真を中心にして、
カントウタンポポ(
Taraxacum platycarpum)の特徴をまとめてみました。
形態に関する記述は日本植物誌(Flora of Japan)に森田博士が記載したものを基にしています。(写真をクリックすると拡大します)
カントウタンポポ(
T.platycarpum)
多年生草本。葉は線状倒披針形から倒披針形、長さ15-30cm、幅3-7cm。全縁または、様々な裂片をもつ。多くは羽状中裂、しばしば羽状深裂、裂片は6-8対、三角または線形、全縁まれに鋸歯状、裂片間は鋸歯状、頂片は鈍頭もしくは鋭頭。歯柄は緑または赤味を帯びる



花期は3月から5月。花茎は緑または赤味を帯びる、花の基部に密毛。花は直径3cm、小花は80-150個。総苞は緑色か濃緑、花時には15mm。外総苞片は密着し、総苞の1/2から2/3に達する。端は密に絨毛。
小角状突起は長さ1-3mm。最外片は広卵形から針形。長さ5-10mm、幅2-3mm。
花柱と柱頭は多くは黄色しばしば灰色。
花粉の大きさと形態は均一。
痩果は黄褐色または淡黄褐色、楕円形から卵形、長さ4-5mm、幅1.2-1.5mm。上半部は刺状突起と結節状、長さ1.0-1.5mm。冠毛柄は長さ7-10mm、冠毛は白色で長さ6.5-8.5mm。
染色体数2n=16(2倍体)
分布(国内) 本州中部(関東、中部、近畿)