ヤマザトタンポポ
 島根県内に自生する黄色の在来種タンポポはこのヤマザトタンポポ(Taraxacum arakii)とクシバタンポポです。
 
beni130422008.jpg
yama_asahi130422002.jpg
総苞片は黒緑色で、外片の扁縁部が赤みを帯びている。また茎の上部に綿毛のような蜘蛛毛がみえる。
yamazato130324023.jpg
山間部の民家近くによく自生している セイヨウタンポポに比べて、やや色が淡い。葉の切れ込みは深く、細長い

新日本植物誌・顕花編:至文堂より引用します。

ヤマザトタンポポ
 Taraxacum arakii Kitam;T.albofimbriatum H.Koidz;T.iyoense H.Koidz;T.arakii var.ecorniculatum H.koidz.
 葉は斜上し、線状披針形、長さ30cm、幅4-5cm内外に達し、鈍頭、羽状中裂する。、花茎は多数。花時には葉より短いか同長、はじめは蜘蛛毛あり、上端は密毛がある。総苞は長さ約18mm、外片は密着し、長楕円状卵形か、卵形、先端は尾状に細まり、小角状突起がないか,小型の小角状突起がある。縁辺は密綿毛がある。中脈は緑色、内片は線状披針形、緑色、小角状突起なく、上部は紫黒色である。
 痩果は淡黄褐色か帯褐色、長楕円状紡錘形、長さ約5mm、上部には刺状突起、下部にはまばらに瘤上突起がある。
 --本州(近畿地方、中国地方)四国。
 森田の分類では、ヤマザトタンポポとクシバタンポポを同種とみなしていて、当Webでも以前は同一の種として取り扱っていましたが、最近の研究や、野外での観察比較から別種して取り扱います(2012/3/27追記)。


 ヤマザトタンポポには4倍体と5倍体があることが知られていましたが、最近の遺伝的解析で、新たに3倍体のヤマザトタンポポが存在することがわかりました。
4倍体のヤマザトは角状突起が小さく、5倍体は角状突起が明瞭という特徴が見られ、また4倍体のなかにはモウコタンポポ、タカサゴタンポポ群のゲノムを持っているグループがあった。
(船引健太 他「日本における黄花型倍数体タンポポの形態的比較と遺伝的解析」2013)
(2013/4/19追記)
yuyadani130414014.jpg mabuse130414028.jpg  
 

Topページへ